再エネ政策解説

<メニュー(目次)>

1.民主党政権とエネルギー政策

2.FIT制度について

3.グリッドパリティについて

4.安倍政権の政策について

5.反再生可能エネルギー税制について

6.エネルギー基本計画について

7.経団連の反再エネ提言について

8.太陽光発電 償却資産税重課市町村について




<各項目の解説>

1.民主党政権とエネルギー政策

(1)民主党政権

 平成21年8月末の衆院選で自民党を破り、民主党が政権交代を果たし、3年余りの政権運営をしました。その運営への批判が多いのですが、民主党の政権担当能力が低いのは、我が国の一党独裁状態の弊害なのであって、今後の頻繁に政権が交代する国になることを、当社団法人においては、望ましいものと考えております。また、当社団法人においては、現在のエネルギー政策を非常に問題があるものと考えていますが、自民党自らが基本方針を変更しない限り、政権交代をしなければならないので、容易なことではありません。

(2)民主党政権下での立法等

 民主党政権下では、日本のエネルギー政策に関し、大きな変化が起こっているので、以下に掲げてみます。

平成21年8月 衆議院選挙

    9月 鳩山由紀夫内閣 発足

平成22年6月 第一次菅直人内閣 発足

       第二次エネルギー基本計画

平成23年1月 第二次菅直人改造内閣 発足

    3月 FIT法案閣議決定(3/11)

       東日本大震災(3/11)

       福島第一原子力発電所事故

    6月 グリーン投資減税創設を含む改正税法案成立、施行

    8月 菅直人首相退陣

       FIT法成立、公布

    9月 第一次野田佳彦内閣発足

平成24年1月 第二次野田佳彦内閣発足

    10月 第三次野田佳彦内閣発足

    11月 衆議院解散

    12月 第46回衆議院議員総選挙

      民主党が大敗、民主党政権の交代

       第2次安倍内閣が発足

 FIT法は、概ね菅直人政権下で、整備され、法として成立しました。FIT法案への賛成を条件としての退陣でした。

 エネルギー基本計画の解説として、以下があります。

エネルギー基本計画

 国のエネルギー政策の中長期的な方向を示す計画。ほぼ3年ごとに閣議決定している。11年3月の東京電力福島第一原発事故を受け、民主党政権は「30年代の原発ゼロ」を掲げ基本計画見直しを進めたが、安倍政権発足後、「原発の活用」を前提に計画作りが進んだ。安倍内閣は与党内調整などを経て閣議決定する方針。(2014-01-31 朝日新聞 朝刊 1総合) (知恵蔵の解説)

 電力会社は、経済的、政治的に非常に強い力を持っており、例えば、上場しているメーカー(製造業者)も、電気料金等の諸条件の交渉の観点から、電力会社には逆らい難いと聞いています。政治、選挙においても、非常に強い力があり、電力会社、経済界を押さえると選挙に勝ちやすいこととなります。

 福島の事故前も後も、電力会社等の原子力関連の企業群は、原子力発電でまだまだ稼ぎたいと考えていて、強い力をもっています。彼らにとってFIT制度は、自分たちの立場を脅かす存在であり、法案の成立や、制度目的の達成(グリッドパリティ)は、まったく好ましいものではありません。

 その後の自民党の反再生可能エネルギー政策から考えれば、民主党政権がなかったら、日本におけるFITの導入はなかったかもしれません。当社団法人は、菅直人氏を我が国のFIT法の父、再生可能エネルギーの父として、高く評価します。わずか1年2ヶ月の内閣の中で、なすべきことをなし、もうすぐ第3段階のグリットパリティという努力が成果となる時期を迎えようとしています。
 

2.FIT制度について(For Grid parity)

(1)FIT制度の概要

 FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の根拠法である電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(いわゆる「FIT法」、「再エネ特措法」)は、前述のとおり、菅直人政権下で法案が整備され、平成23年8月27日の菅直人氏退陣を条件として、その前日8月26日に成立し、同月8月30日に公布されました(平成23年法律第108号)。全面施行は、平成24年7月1日であり、平成24年度の産業用太陽光発電の買取価格は、@40円(+税)でした。

 事例を用意し、説明すると、以下のとおりです。

<事例>

①電力会社にお金を払って、電力を使わせてもらう場合の電気料金(消費時電気料金)

  @18円/kWh

②自身で太陽光発電設備を設置して発電を行った場合の発電コスト

  @36円/kWh

 @36円のコストで作った電力を@18円で売り続けるのですから、これでは損失しか生じません。地球温暖化対策、原発依存度の軽減のためにボランティアで設置する方もいないので、国の経済政策として行うしかありません。税金で国有の再生可能エネルギー発電所を大量に設置する、補助金(30%、1/2、2/3など)を交付し、普及を促進するなどという方法もありますが、いずれも国民に大きな税負担を強いることとなります。

 そこで、ドイツ、スペイン、イギリスなどで成功していた「固定価格買取制度」が導入、施行されます。先ほどの@36円/kWhで発電した電力を20年間の固定価格@40円/kWh円で電力会社が買い取ります。これにより、発電事業者としては、安定した利回りで利益を獲得できます。

 一方、電力を高額で買い取る電力会社は、そのままでは、大損です。その電力の買取りに要した費用は、再生可能エネルギー発電促進賦課金として、電力の消費者(法人・個人)が、電気のご使用量に応じて負担することとなります。

 

(2)FIT制度の目的(For Grid parity)

パネル、パワーコンディショナーその他の部材が、大量生産され、流通し、設置されていけば、設置価格が下がる故に、発電コストが下がっていきます。最近テレビが安く買えることを考えれば、判りやすいでしょうか。

グリットパリティ(Grid parity)とは、再生可能エネルギーによる発電コストが電力会社から購入する電力料金や発電コストと同じ、もしくは安くなることをいい、次の三段階があります。

 

日本におけるグリットパリティの定義(NEDO)

段  階

発電コスト

備    考

第一段階

23円/kWh

家庭用電力

第二段階

14円/kWh

業務用電力

第三段階

7円/kWh

汎用電源

 

 上記は、5年前に見たものと数字は変わっておらず、固定されたもののようです。買取価格より、発電コストは、少し安いはずです。

 第一段階は、ご家庭で、個人が電力会社に電気料金を支払い、電気を使用する場合の料金であり、これは、我が国では、達成されたとのことです。

 第二段階は、工場(たぶん大規模)が、電力会社に電気料金を支払い、電気を使用する場合の料金です。そろそろ達成される頃でしょうか。

 第三段階は、従来型火力発電並の発電コスト(NEDO)とのことですが、平成26年の値として、発電コストは、政府資料に以下の記載があり、だいぶ乖離があります。第三段階の発電コストは、12円/kWh超と考えるべき時期と考えられます。

発電方式

発電コスト(平成26年)

原子力発電

10.1/kWh

石炭による火力発電

12.3/kWh

天然ガスによる火力発電

13.7/kWh

石油による火力発電

30.6~43.4/kWh

出典:資源エネルギー庁のサイト「原発のコストを考える」(2017-10-31)

 平成31年度調達価格等意見の資料を使って説明しましょう。同意見P.10中程から、以下の記載が始まります。




 上記参考6の左表には、筆者のイメージとして、その後の「原子力・火力発電の発電コスト」の値上がりを右上がりの点線で示していますが、「太陽光発電の発電コスト」が、「原子力・火力発電の発電コスト」を大幅に下回っていく見込みが示されています。2040年では、1/3、1/4まで低減しています。この実現によって、日本の事業用、家庭用の電気料金は、確実に安くなっていく見込みです。

税制解説

1.再生可能エネルギー設備に関する税務の最新情報

 1-1 <特設>太陽光発電設備等に対する先端設備等導入計画税制の市町村対応

 1-2 平成31年度税制改正大綱における再生可能エネルギー関連情報

2.再生可能エネルギー設備に関する税務の概要

 2-1 太陽光発電設備等に関連する諸税

   法人税、所得税、消費税、償却資産税、相続税その他

3.再生可能エネルギー事業を行う場合の法人税等の課税関係

 3-1 太陽光発電事業等を行う場合の法人税課税の概要

 3-2 減価償却とは

 3-3 太陽光発電事業等を行う場合の特別償却について

 3-4 法人を設立し、太陽光発電事業等を行うスキームについて

 3-5 法人を設立した場合の税務等に係る届出について

 3-6 役員給与の損金算入について

 3-7 太陽光発電設備等を売却した場合の課税

 3-8 太陽光発電設備等を中古取得した場合の税務

 3-9 法人経営における1年間のスケジュール

 3-10 法人を経営する場合のオーソドックスな節税策について

4.再生可能エネルギー事業を行う場合の所得税の課税関係

 4-1 所得税の基礎① 所得区分について

 4-2 所得税の基礎② 所得控除について

 4-3 所得税の基礎③ 税額控除について

 4-4 青色申告とは

 4-5 太陽光発電事業等を開始した場合の届出について

 4-6 太陽光発電事業等を行う場合の確定申告について

 4-7 減価償却とは

 4-8 太陽光発電事業等を行う場合の特別償却について

 4-9 太陽光発電設備等を売却した場合の課税

 4-10 太陽光発電設備等を中古取得した場合の税務

 4-11 法人経営における1年間のスケジュール

 4-12 個人経営を行う場合のオーソドックスな節税策について

5.再生可能エネルギー事業を行う場合の消費税の課税関係

 5-1 太陽光発電事業等を行う場合の課税について

 5-2 太陽光発電事業等を行う場合の消費税の還付について

 5-3 太陽光発電事業等を開始した場合の届出について

 5-4 調整対象固定資産と高額固定資産

 5-5 太陽光発電設備に対する償却資産税軽減制度

 5-6 適格請求書保管方式(インボイス方式)導入後の売電免税事業者

6.再生可能エネルギー事業を行う場合の消費税の課税関係

 6-1 償却資産税とは

 6-2 太陽光発電設備を取得した場合の償却資産税の課税

 6-3 先端設備等導入計画による償却資産税軽減制度

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